■はじめに
 その日、世界は寝返りをうった。
 天変地異というにも生ぬるいほどの災害が全国で同時多発的に発生。
 海外への通信網も断絶し、日本という国は満身創痍のまま完全に孤立した。
 だが、泣いているだけではなにも始まらない。
 人々は、いつしか自分の足で立ち上がり、瓦礫の中に細々とした営みを再開した。
 不幸中の幸いというべきか。
 『完全な孤立』の言葉通り。
 傷つき、力失ったところを蹂躙し、国をかすめとろうという不届きな輩さえもやってこなかった。
 先の見えない不安。
 けれど。
 人々は、絶望することも。憎しみあい、奪いあうこともなく、少ない物資をやりくりして生活基盤を、そして交通の基盤を整えていった。
 そうして数ヶ月。
 唐突に訪れた、凪。
 この機会を逃さず、四方へ船を走らせ、飛行機を飛ばす。
 帰還した者の口からもたらされたのは、恐るべき事実。
 同じような、いや、もっとおぞましい事象が世界中で発生しており、今も混乱の渦中にあるという。
 そこで、当時の日本の首脳がとった手段が
 鎖国だった。
 難民の受け入れを完全に拒否した。
 その非人道的な決断に、当然のように非難の声が嵐のように巻き起こった。
 海外に家族を送り出している者
 海外から日本に移り住んでいた者
 けれど、首長はその全てを黙殺した。
「これが、最善の手段だ」と。
 その発言の真意を表すように
 回復しつつある国内通信網に、奇妙な噂が飛び交うようになった。
 曰く。
「怪物に畑を荒らされた」
「空飛ぶ怪物に婆さんが浚われた」
 異常な事態に正気を失った者の妄言。
 だれもが取り合わなかった。
 けれど、証拠写真が日本各地から次々上がってきた。
 そして、ついには
 捕らえられ、衆目に晒されることになった。
 ----緑色の肌をした子鬼
 ----昆虫のような殻を持つ足の生えたトカゲ
 ----白く長い毛に覆われた雪山に住む類人猿。
 御伽噺や、都市伝説の住人。
 UMA--Unidentified Mysterious Animal--などとはもう呼べない。
 捕らえられ、解剖され、体組織まで微細に研究されてしまっては、もはや未確認でも、ミステリアスでもない。
 OPL--Out of Place Lifefoms--場違いな生命体、としか言いようがない。
 彼らがどこから来たのか、それは誰にも説明できない。
 ----宇宙からの訪問者?
 ----某国のバイオ兵器の暴走?
 復興期のドサクサで流れたアングラ番組のいう『精神力を物理的エネルギーに変換する機械の暴走し、人間の根源的恐怖が実体化した』などという説明が一番的を射ているかもしれない。そんな機械がもし、あれば、の話だが。
 ともあれ、彼らの出自はさほど問題ではない。
 当面対処しなければならないことは
 彼らが実際にこの日本にいて
 ようやく立ち上がりつつある人々の暮らしを脅かしているということだ。
 言葉が通じず
 人の生活圏を脅かし
 あるいは工場跡や遺都に巣食って復興を妨げるのであれば
 もはやとれる手段は決して多くはない。
 戦うしかない。
 それは、ただ、抗い、磨り減るだけの戦いではなかった。
 「敵」は脅威以外の物ももたらした。
 その血肉は食用に適し。
 その爪や皮は不足しがちな工業資材の代用となり
 果ては唾液や胃液を解析することで化学、医療分野の助けとなり
 一部の技術をSFのレベルにまで引き上げることになった。
 それゆえ、人は、進んで魔物を狩るようになっていった。
 より組織的に。
 より強力な武器を携えて。
 そんな狩人達を人々はこう呼んだ-----
■概要
 21世紀初頭に発生した天変地異により荒廃し、なかばファンタジーの世界になってしまった日本を舞台にした冒険活劇となります。
 怪物から町を守ったり、復興を後回しにしたために荒れ果てて、魔物の巣になってしまった町--遺都--から研究資材を回収したり。
 異変後に現れた謎の生物OPLの体組織を解析することにより一部の技術は飛躍的に進歩したが、通信インフラなどの技術は停滞、あるいは衰退しています。
 NPCの宿命とか、トラウマとか面倒くさいことはなし。
 アクションのアイディア勝負です。
 生き残るために、戦え!
 
 ■キャラ作成
※名前
 ハンターとして登録されている名前。偽名、通り名のみでもかまいません。
 公序良俗に反するもの、実在、架空の有名人と同姓同名は不許可。偶然の一致に関してはマスターの裁量とさせていただきます。
※年齢
 年齢を記入してください。
※性別
 実際の性別で。服装倒錯などは設定欄にて。半陰陽、両性具有などは不可です。
※誕生日
 設定しなくても可。
※特徴
 外見や性格の目立つ特徴を3つのキーワードで。
※口調・一人称
 友達と話すときの一般的なケースでのものを設定。目上の相手でも口調を改め
ない、特定の相手だけにくだけるなどは設定欄にて補足を。

※クラス
 キャラが属する大まかな区分。下記参照。

※設定
 具体的な文字数制限は設けませんが、概ねサンプルと同じぐらいになるように。
 設定は基本的に自称です。
 実家がお金持ち、特殊な組織に属している、という設定自体は可能ですが、その
財力、知識などを利用することはできません。
 重度のハンディキャップを持つキャラは予告なくボツとさせていただきます。

※メインスキル
 下記参照し、別表から選択。

※一般スキル
 下記参照し、別表から選択。
■ハンタークラス
1.サムライ
 己の肉体を武器としてOPLに挑む戦士。

2.テック
 情報の収集、分析を担当したり、負傷した前衛の治療などバックアップの専門家。

3.ライダー
 小は軽バイクから、大はトレーラーまで。ビークル操縦のスペシャリスト。

4.コマンダー
 チームを効率的に動かすためのクラス。スポンサーから追加資金を引き出したりすることも。小さなチームでは専業で置かないことも多い。

5.ミリシア
 上記4種に該当しない一般の職業。機材の揃った店舗が与えられる。
■能力
メインスキル:
 ハンターとしての専門的な知識。
一般技能:
 社会生活で役立つ一般的な技能。

 共に1〜3までレベルがあり、1で基礎訓練を受けたレベル、2でその道でご飯が食べられるぐらい、3でその道のトッププロレベル。
 コネであれば1で噂話を聞くことができる程度、2でより精緻な情報を集めたり、逆に噂を流したりできる、3で人員や資材を調達可能。

ハンターはメインスキル3レベル分、一般技能3レベル分取得可能
ミリシアはメインスキル1レベル分、一般技能5レベル分、或いは一般技能3レベル分と店舗などの施設を取得可能。
 
■『異変』と『災厄』
 天変地異の後、OPLが発生するに至った事象を『異変』。異変から数年間の混乱期を『災厄』と呼ばれている。前者はいまだ原理が解明されておらず、人知 を超える事象である為、後者はOPLではなく人間の手による被害も決して少なくなかった為口を濁されている。
■ハンター
 OPLに対処できる技術と装備を持つ専門家。
 『異変』後、その官庁もOPLの対処を受け持つことを嫌がったので、結果厚生省経由で民間に委託された。
 ハンターの名称は、文字通り狩人から。法律的にも町に降りてきた熊に対処する猟友会の延長として処理されている。
■エージェント
 ミッションは基本的にOPLに生活圏を脅かされている自治体や、生産活動を妨害されている企業が申請することにより発行される。この時ハンターと自治体 が直接交渉するとトラブルが発生する可能性が高いため、ハンターの都合やOPLの生態に詳しい団体が間に入って両者を仲介している。これがエージェントで ある。
 また、エージェント同士が協定を結び、ハンターの情報の共有などの便宜を図る団体として「ハンター協会」が設立されている。
 ハンターを志す者はハンター協会に登録しない限り装備も売ってもらえず、また素材も買い取ってもらえない。
 群れることを嫌い、全てを闇市場でまかなうハンターも存在する。

1.都市衛生局
 親方日の丸。自衛隊の仕事は外敵からの防衛、警察の仕事は犯罪の抑止。わけのわからない動物でも野生動物の駆除は地方自治体衛生課の仕事ということで押し付けられてできた部署。
 OPLの駆除を第一目的とする。
 資金はそれなりに潤沢だが、周囲に被害がでたときのバッシングがひどい。

2.城南大学
 知る人ぞ知る生化学の権威。異変初期からOPLの解析、応用に取り組み成果を上げてきた。
 OPLの捕獲を第一目的とする。
 捕獲など生ぬるいと衛生局からは鼻白まれてはいるものの、OPLの解析には一日の長があり、協力を要請されることもあって微妙な協力関係にある。
 資金、装備ともに並み。

3.KCN(関東ケーブルテレビネットワーク。
 ----ナントカ光線で怪獣をやっつけるスーパーヒーロー
 ----何百本もホームランを打つスラッガー
 ----倒れても倒れても立ち上がり、巨漢外人レスラーを打ち倒すマスクマン

 従来のヒーローは全て色褪せた。
 荒野で化け物と戦うハンター。----本物のヒーローの活躍の前では!!
 というわけでOPLとの戦いや遺都発掘をハンターに記録させ、ドキュメンタリとして放送しているチャンネル。
 とにかく面白い事件に遭遇することを第一目的である。
 資金は出来高。
 当然のように前二者からは蛇蝎のように嫌われている。
■装備
1.治安維持の観点から、厳しく制限されている。街中では厳重に封印され、任務以外ではみだりに使用できない。
 任務中であっても、任務の目的や周辺環境に応じて設定されたハザードランク(以下ランクと省略)以下の装備しか使用することができない。これは任務発行後、敵の能力の変化やPCの陳情(主にコマンダーからの)により変更することも可能。
2.ビークル
 バイク、オートバイなどがメイン。
 飛竜などの飛行性OPLの縄張り意識を刺激するので航空機はあまり使われない。小型のオートジャイロ程度。
3.EX-S(エクソスケルトン:通称エグゼス)
 全高2.5〜3mほどの外骨格パワードスーツ。兵器ではなく、あくまで補助装備というお題目からパイロットは装甲で守られておらず、重火器は装備されていない。
 機動力では車両に、膂力では重機に、小回りではサムライに劣る。 しかし、戦闘→工作作業がシームレスで行うことができることによりコンパクトな小隊編 成が可能であること、EX-S専用装備は使い減りせずに大火力を期待できることから、ハンター達に愛好されている。
■OPL
 発生元により、アルター:原生の生物が何らかの理由に変質----大型化、凶暴化したと思われる生物群と、ミスティック:都市伝説や伝承状の存在が実体化した、と思われるものの二種に大別される。
 発生頻度から一般の生物のように世界に根付いているものをモブ、突発的に現れるものをレアと区分する。
 また、サイズでは昆虫から人間サイズまでを「小型」、人間大から4mほどまでを「中型」、それ以上を「大型」と分類する。ハンターに与えられている装備 で処理することができるのは中型までなので、大型は無暗に手を出さず、やり過ごして国と自衛隊に処理を依頼するのが通例になっている。